明けちゃいましておめでとうございます。
最初に言っておきます。
ごめんなさい、じつは完成しちゃってます。
前回はたしかクランクケースの塗装だったので、
まぁ、その辺の画像を紹介しつつ、
コメントを添えていきます。

上の画像は再塗装をしたマフラー!綺麗でしょ!!
下の画像はご覧の通りピストンですが、
どんな加工をしているのか分かりますか?
以下の部品全てにも同じ加工をしていますが、
全ての角を面取り&バリ等を取り除いて使用します。


下の画像は今回使用するNSR50用新品クランク。

こちらはクラッチ・フリクションディスクですが、
皆さんがクラッチレバーを握ると、
フリクションディスク&クラッチプレートが横方向へスライドします。
そこで少しでもスムーズに移動できるように、スライドする方向の角のみ面取りを施します。
じゃあ両角を面取りすれば良いじゃん!って思った方もいらっしゃったのでは?
実は両角を面取りしてしまうと、接触面(クラッチアウターに駆動力を伝える部分)
が少なくなり、アウターへの攻撃性が強くなり、段減りしやすくなってしまうのです。

以下の部品も面取り&バリ取りを施して使用します。



上の画像はトランスミッション(上が最終的にドライブスプロケットが付くカウンターシャフトです、下がクラッチが取り付くメインシャフト)、シフトドラム、シフトフォークシャフト、シフトフォークです。

上の画像が加工前。
下の画像が加工中ですが、一番の加工箇所はシフトフォークの先端部分です。
ミッションオイルが流れ込み易いように、シフトフォーク先端部分をテーパー加工&接触面を鏡面しフリクショロスを低減&強度アップ!!


上が加工後のシフトフォークですが、分かりますか?
この加工で気をつけることは、あまりテーパーを多くし過ぎないこと!
鏡面も磨き過ぎて薄くし過ぎないこが重要なので十分注意して作業して下さい!

上が加工前のシフトフォークシャフト。
下が加工後です。
シャフトのキズが無くなっているのが分かると思います。

上がシフトドラムです。
今回はチューニングが目的ではないので、ドリリングによる軽量化はしていませんが、溝部分は全て面取り&研磨を施しています。

上のシフトカムもストッパーのローラーがストレス無く動けるように、接触部分を磨きます。
下がシフトドラムストッパーですが、ローラー部分を磨きます。

下はシフトドラムストッパーを固定しているボルトですが、ついでなので磨いちゃいました。

如何でしたか?
あまり費用を掛けずに、皆さんがご自身の手を頑張って動かせば出来る加工の一例を紹介してみました。
もし機会が有れば是非挑戦してみて下さい!ただ分解して新品の部品を組み付けるのではなく、ちょっとした加工で耐久性をアップでき、各部の操作フィーリングが頗る良くなり、手を掛けた分とても可愛くなり、大切にする事と思いますよ!
今回に限らず、加工を施すにはちゃんとした目的(理由)が有るんですよ!綺麗になるからピカピカに磨いているんじゃないのです。
バリ取り・・・エンジンの中では各部品が物凄い速さで回転したり、往復運動をしています。そのバリが何かの拍子に剥がれ落ちたら・・・、エンジンオイルの中を漂い、いつかはギヤ及び各部品に噛み込んでしまうかも知れませんよね?そんな噛み込みの心配をなくし、トラブルを未然に防ぐ事が目的です。
鏡面加工・・・綺麗だから!ってのは嘘です。最大の目的は摺動抵抗の低減及び表面の凹凸を無くすことにより、応力の集中を避けられる!すなわち部品の耐久性を向上させる事が目的です。
まだまだ色々な加工が有りますが、今回はこのくらいにしておきまぁ~す。